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おでかけ

東一条ギャラリーアゲイン

中標津の俵真布の2階、東一条ギャラリーの冨田美穂小品展で、冨田氏自身による版画刷りの実演があるとのことを聞き、それは見てみたいと、またまた俵真布に来てみたわけです。

で、実演の時間まで時間があるし、まずは俵真布を覗いてみたら……!

今日はパンがあるではないの。
天然酵母のパンが。
しかもたくさん。

ということで(何が?)既に別のところでパンを買っていたにも関わらず、ついつい少しだけ購入。

長居をしていたら、実演がはじまってしまうので、はやめにと2階にあがってみると、すでにはじまっているではないですか。といっても、何回も刷るみたいだったのですが。

このポスターのサンちゃん2015という作品を刷る実演中で、
こういうスケッチから、

彫り上げた木版にインクを塗って、

雁皮紙にバレンを使って刷るという作業のようなのですが、うまく出るようにスプーンの腹で擦ったりして、刷り上げるようで、これだけ小さいものでも結構な時間をかけ、

こういう感じで刷り上がる。
牛のまわりに彫ったあとが出ているけれど、本来のサンちゃん2015は作品のまわりの部分に木目が出ないようにカバーを掛けて刷るみたい。

これを何回も繰り返して、作品として使えるものを選抜したものが、エディションナンバー(作品についてる何分の何と書かれてるあれ)
をつけて作品として扱われているらしい。

サンちゃんは木口木版画だったけれど、946という作品はいた板目木版画。こちらの方は大きいので鼻だけ実演ということだったのですが、彫刻刀での削りの説明もあったり。

板目木版の方は、学校でも習ったように彫刻刀で彫るようなのですが、木口木版の方は、木が堅く彫刻刀では刃が立たない……といったらオーバーなのかもしれないけれど、実際、無理そうで、ビュランというものを使うみたい。

木口は固いぶん、刷ろうとおもったら、かなりの枚数が刷れるらしいが、板目はやわらかい分、それほど持たない。なんか苦労のぶんが反映されるのねという感じ。

ところで彫刻刀は、細かい部分を彫るのに刃のメンテナンスも欠かせないらしく、クセで出てきてしまう刃の形のズレも、砥石で刃を研いで調整しておく必要があるみたい。

他にもいろいろな説明があって、木版画の世界が、また少しわかった気がする。
これだけ聞くと、サンちゃん2015を連れて帰りたいと思ったのですが、ちょっと冷静になれよと建物を出て一呼吸おくために他の用事を済ませたりしていたら、呼吸をおきすぎたようで閉館の時間に……

まあ、縁があるなら、またどこかで出会うことがあるでしょう!

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